ARGOの「プラトレ」

通る企画書を作るために。プランニングのトレーニング

グラフの作り方

データと同じように客観的な数字を分かりやすく見せるために、グラフを使って説明することがある。Excelを使えば色々なグラフを簡単に作ることができるので、パソコンに慣れた人ほど「凝ったグラフ」を作る傾向がある。私もそうだったから、あれこれ凝りたい気持ちも良くわかる(苦笑)

新聞やテレビで使っているグラフを参考にすれば良い。

一度じっくり見て欲しいのだが、新聞やテレビで使われているグラフは、多分あなたが思っている以上にシンプルだ。棒グラフや折れ線グラフが中心で言いたいことをひとつだけに絞っている。例えば人口の年齢構成を使って「高齢者の比率は増えているのに若年層が減っている」と言う点を指摘したい時は、つい年齢構成を示した積上グラフ(棒グラフ)を年度別に並べて行きたくなるのだが、より分かりやすくするためには、15歳未満と65歳以上の年齢構成比の2項目だけを抽出して折れ線グラフで示した方が良いことがある。

仮に30代の人口比が面白い動きをしていたとしても、企画に関係ないことはバッサリ切り捨てる。誤魔化すのではなく言いたい事を強調するだけなので、嘘をついているわけではない。企画を立てる時には多面的に物事を見ていかなければならないが、企画書として提案する時は「企画内容に即した部分」だけを書けば良い。企画する時にああでもないこうでもない悩んだ過程を、わざわざ相手に伝える必要はないのだ。苦労したことを分かってもらいたいという気持ちがあったとすれば、それは甘えでしかない。企画には関係ないのだ。
 
30代の人口比が面白い動きをしていることを発見し、何か出来そうだと思ったのなら、別の企画を作れば良い。そちらの方が面白い企画になることもある。
 
Excelの機能を使えば色々なグラフを簡単に作ることができる。それが「凝ったグラフを作りたい」という誘惑につながることもあるのだが、色々なグラフをたくさん作ってみて、どれが一番わかりやすいかを比べることが容易になった。私はこれを「グラフオーディション」と呼んでいるが、グラフの種類だけでなく、メモリの取り方なども工夫した方が良い。凝ったものや見た目に綺麗なグラフより、野暮ったくてもシンプルでわかりやすいグラフの方が企画書には適している。