ARGOの「プラトレ」

通る企画書を作るために。プランニングのトレーニング

広告賞

映画にアカデミー賞があるように、広告にも色々な賞がある。カンヌ国際広告祭やACC CM FESTIVALと言ったビッグな賞もあるが、全国的には有名ではなくても、地方にもいくつかの広告賞が設定されている。

私が住む広島では、広島広告企画制作賞と中国新聞広告賞が有名だ。ディレクターやデザイナー、コピーライターと言ったクリエイターは、賞を目指して頑張っている、、、と言いたいが、実は賞レースに参加できるクリエイターは、ごく一部に限定される。

私は量販店のチラシやDM制作にも数多く関わってきたが、売上アップに的を絞ったチラシが受賞するケースはほとんとない。と言うより、賞レースに参加できるのは申し込みをした広告物たけなので、ハナから賞など考えていないのだ。

受賞した広告の大半は、地方公共団体とか地元でも大手と言われている企業が中心だ。広告予算に余裕がない小さな企業は、例え良い広告を作ったとしても露出が極端に低くなる。だから人目に触れる機会も少なく、大きな売上効果は見込めない。逆に公共団体とか大手企業はある程度の予算を投下できるので、市場にインパクトを与えることも可能だ。媒体社や広告代理店が主催している賞などは、要は「自社に貢献してくれたお礼」と言う要素も含まれるため、貢献度の低い小さな企業が受賞するのは更に難しくなる。

ただ全国的には無名のクライアントで地元のクリエイターが作ったCMが、カンヌでグランプリを受賞することもあるし、広島でも、理解あるスポンサー企業と一緒に大手代理店が狙わないようなパッケージや包装紙などで賞を取り続けているデザイナーもいる。逆に、その気になれば賞を獲る力を持っていながら、賞取りレースとは無関係な売上を重視した折込チラシの制作に全力を挙げているデザイナーもいる。

良い広告とは何だろう。賞レースの結果を見るたびに、そう考える。