ARGOの「プラトレ」

通る企画書を作るために。プランニングのトレーニング

キカクのカ

以前、キカクのキは「気持ちのキ」だと書いた。相手に伝えようとする気持ちか一番大切だと言うことなのだが、そのためには、企画内容はもちろん、企画書の見せ方、見え方、言葉の使い方など、あらゆるケースを想定して考えることが重要だ。

キカクのカは「考える」のカ

その昔、広島カープが初優勝を経て黄金期を迎えた頃の話だ。スイッチヒッターとして人気があった高橋慶彦選手がまだ新人だった頃、もう練習で大変でしょうと言う記者の質問に対して、身体より頭に汗をかいている、頭が捻挫しそうだ、等と言うコメントを残した。当時、学生だった私は良く理解できなかったのだが、仕事を始めてよくわかるようになった。

若い頃の仕事は身体もキツい。寝る時間もないし、自分の仕事だけでもアップアップなのに先輩に押し付けられた仕事もやらなければいけない。当然のように雑用も多い。ただ若さと言うものは一晩寝れば体力は回復する。だんだん要領がわかってくると身体への負担も軽くなる。ただ、それで満足していたら考える力は伸びはしない。

そんな時に支えになったのが高橋慶彦選手の言葉だ。身体だけではなく脳ミソも汗をかいているか?それだけ考えながら仕事をしているのか?100のアイデアを考える時は、いつもその言葉を自分に言い聞かせて踏ん張ってきた。時々、頭がパンクしたように何を考えられなくなることがあったが、その時は「これが頭の捻挫か」と思うと嬉しくもあった。

脳ミソに汗をかいたりパンクしたようになったりするのは、身体に無理がきく若いうちに経験しておいた方が良い。一度とことん考えるクセをつけると、次からば何となく要領がわかってくる。苦しい経験を乗り越えたことがある人は、一緒に仕事をしているとすぐにわかる。締切前の一番大変なときにギブアップしたり他人任せにする人は、そういう経験をしたことがないからだ。イザと言うときにあてにならないから、真剣に付き合うことはできない。

一度で良いから「とことん考え抜いた」という自分の限界に挑戦してみることが、企画を立てて行く上で非常に重要なにつながって行く。シッカリと脳ミソに汗をかいて欲しい。