ARGOの「プラトレ」

通る企画書を作るために。プランニングのトレーニング

フォントの使い方

分かりやすい企画書と言うものは、見映えのよさも必要だが、決して綺麗なものである必要はない。企画書を作る目的は、何よりも「伝えること」だと言うことを忘れてはいけない。

伝えるためには、ある程度のデザイン力が必要になる。パッと見て文字ばかりの企画書はなかなか読んでもらえないし、せっかく表を使っているのに大きさや位置がバラバラだったりすると「気を使っていないなぁ」と思われる。同じように、あらゆる項目を目立たせようと派手な色を多用しすぎると、結局、何を強調したいのかわからなくなってくる。

昔はコピーライターが企画を作ってデザイナーが企画書にする、と言うこともあったが、パソコンやソフトの普及で、誰でも簡単に企画書が作れるようになった。デザイナーの力を借りてきっちりデザインされ過ぎた企画書は、キレイ過ぎて面白味に欠けると言う人もいる。デザイナーを使うなど無駄なところにお金をかけるな!と言う担当者もいた。

パワーポイントで企画書を作ることが多いのだが、マイクロソフトのフォントはお世辞にも綺麗だとは言えないし、文字組も標準設定のまま使うと読みにくくなる。私の場合は、文字の行間を1.06行、改行時は6ボイントに設定することが多いのだが、フォントは標準でついているMSPゴシックとHGPゴシックの2種類しか使わないようにしている。

特殊なフォントを使えば、Mac並の美しい企画書を作ることは可能だが、メールで送信したり、他のパソコンでプレゼンする可能性を考えると、文字化けしたりファイル容量が大きくなるような危険を犯すことは本末転倒だと考えている。

色数もフォントも使いすぎると見にくくなる。かといってテンプレートをそのまま使ったのでは芸がない。そう言う時は、テンプレートを基本にして、よりスッキリ見せるように工夫する。それだけで随分と違ってくる。企画内容と見せ方と、力の入れ具合が結構ポイントになることは覚えておいて欲しい。

前に一度、パンフレットのようにキレイにデザインされた企画書を見たことがあるが、クライアントは「こんなにデザインする暇があるなら、もっと中身に凝れば良いのに」と言っていた。あまり見栄えに凝りすぎると、内容へのハードルが高くなるから要注意だ。