ARGOの「プラトレ」

通る企画書を作るために。プランニングのトレーニング

ふたつの評価軸

目にする作品や耳にする音楽など、普通は「好きか嫌いか」で判断することが多い。もっとも、実際は好きと嫌いの間に「どちらでもない=どうでもいい」と言う大きな河が流れている。映画や書籍、音楽、絵画などをはじめ、タレントやCMなども、好きが1割、嫌いが1割。後の8割がどうでもいいとなるケースが多いのだが、出来るだけ自分の中での「どうでもいい」を少なくして「好き嫌い」をはっきりさせると同時に、クオリティに関する新たな評価軸を加えるように意識している。

私の場合は『(自分がその対象を)認めるか認めないか』で決めているが、要はクオリティが高いか低いかといった客観的な視点だ。この評価軸を加えることで、自分が嫌いなものでも、見てみよう・触れてみようという気持ちになる。世の中で流行っているものは、例え嫌いであっても「流行っている」という時点でチェックするようにしている。実際は、8.6秒バズーカやクマムシのように、好きでも嫌いでもなく大して評価もできないというものが多いのだが。

好き嫌いを横軸に、クオリティを縦軸にすると、
①好きな上にクオリティも高い
安室奈美恵miwa、サザン、綾瀬はるかなどは凄いと思うし好きだ。
②クオリティは高い(認めるが)あまり好きじゃない
EXILE系や浜崎あゆみなどは凄いとは思うが好きにはなれない。お笑いではダウンタウンナインティナイン、その他に三谷幸喜秋元康など実力は認めているがあまり好きじゃない。彼らの才能に嫉妬しているような気もするけど。昔のアイドルで言うと、松田聖子中森明菜がこの象限だ。
③好きだけどクオリティには?が残る
〜この象限にはアイドル系のグループがいっぱい入る。ももクロ(ある意味、クオリティも評価している)や初代のモーニング娘。AKB48もこのジャンルに入る。キャンディーズ石野真子菊池桃子は好きだったなぁ。
➃好きでもないしクオリティも評価できない
〜さっき書いた8.6秒バズーカやクマムシなど。初めて見たときからすぐに消えるだろうと思っていたが、こんなに早くテレビから姿を消すとは思わなかった。

こう言う4つの象限でテレビや物ごとを見ていくと、今まで興味がなかったものにも目が行くようになるし、コンペで負けた相手の企画なども冷静に判断出来るようになる。競合で負けた相手の企画の大半は「キライだけど認める」に入るが、時には「キライだしクオリティも評価できない」ものもある。

好き嫌いだけで判断していると、いつの間にか好きなものしか評価しなくなる。キライなものでもクオリティが高いものはキチンと認めよう。それが企画する際のベースとなる蓄積情報に繋がって行く。