ARGOの「プラトレ」

通る企画書を作るために。プランニングのトレーニング

知らないままで放置しない

昔、昭和の怪物といわれていた江川卓投手にインタビューしたことがある(実際にインタビューしたのはラジオ局のアナウンサーで、私は質問項目を考えただけだが、収録現場には立ち会った)。その時に色々と江川投手のことを調べたのだが、スポーツ部の記者からこんな話を聞いた。

江川投手と野球以外の雑談をしていた時、彼が知らないことを話すと凄く興味を持って聞いてくる。そこまで聞かれても自分も詳しくは知らないと答えると、次の日に必ず呼び止められて「あれはこうらしいですよ」と言われるんだよね。野球に直接関係ないのに、わざわざ調べてくるんだよ。彼の好奇心はすごいね。

それまで巨人の選手というだけで大嫌いだったのだが、その話を聞き、実際に彼に会ってファンになった。彼の好奇心は野球の役には立たなかったかもしれないが、引退後に解説者になった時、試行錯誤を重ねている姿を見て、あらためて凄いなぁと思ったものだ。

私の大恩人である大手広告代理店の支社長と、プランニングの師匠である先輩と、初めて3人で飲みに行った時、専門用語が飛び交う2人の会話の8割が理解できなかった。あまりにも無知な自分が情けなくて許せなくて、広告や企画に関する本を読み漁った。

それから徐々に2人の話が理解できるようになり、少しずつ話の中に入れるようになって来た。もし最初に飲みに行った後に、何も感じないで何も勉強していなかったら、今の仕事を続けては来れなかっただろう。

 分からないことがあったらググれば良い。

ネット情報を頭から信用してはいけないが、ある程度のことは調べられる。インターネットのおかげで、昔に比べれば、調べることのハードルは随分と低くなっている。プランニング能力を高めたいと思うなら、例え興味がない分野のことでも、最低限のことは知っておく必要がある。専門分野以外のことは「広く浅く」で良いのだ。知らないまま放置するクセをつけてはいけない。