ARGOの「プラトレ」

通る企画書を作るために。プランニングのトレーニング

AI革命

人工知能囲碁のプロに勝ったことで、AIへの関心が急速に高まっている。あと10年もすれば人工知能が人間の仕事を奪っていくと騒ぐ人も増え、メディアでも「どんな職業が無くなるのか」等と言う特集を組んだりしている。
広告業界にいて、最初に無くなるのはテレビや新聞などの枠取り業務だと思っていた。実際に枠取りそのものは自動化され、番組表をにらんで線引きをする事は無くなった。ただ、いつ、どんな枠を取るかと言う交渉は媒体の営業マンとの調整が必要で、未だにクライアントや媒体社との飲みニュケーションが幅をきかせている。
その一方で、ExcelPowerPointの普及によって、予算が少ないマーケティングやクリエイティブ作業は社内で済ませると言う代理店が増えてきた。パソコンを使えば誰でも見映えの良い企画書や報告書を作ることが出来るし、ネットで調べれば大まかな市場動向はつかめる時代になったのだ。
もちろん一流と言われるクリエイターはこれからも生き残るだろうが、東京五輪のエンブレム問題を見てもわかるように、コンピュータ社会が現実のものになって、プロとアマチュアの境が限りなく曖昧になってきている。
誰でも出来ると思っていた単純労働よりも、中途半端なクリエイターの作業がコンピュータに取って代わられているのが現状だ。いずれ、小説や漫画をはじめ、雑誌や新聞の記事もコンピュータが書くようになるかもしれない。会社経営も、コンピュータが的確なアドバイスを行うようになったら、コストの高いコンサルタントや弁護士も必要なくなる。
人間がやる作業は、人間でしか出来ないと思われていた分野の仕事などではなく、ごく一部のトップと、AI導入費用に見合わない低価格な作業に集約されるようになるのではないだろうか?
仕事はコンピュータやロボットが行い、人間はその利益を享受するようになることでお金に囚われない平等な社会が到来する、と言うような理想郷は、当分の間、もしかすると永久に来ないような気がするのは、あまりに悲観的な見方だろうか?